黒潮丸のガーデン読書録

 

書名:芸術新潮2000・7 「桂離宮の歩き方」特集号 著者:橋本治 出版社:新潮社
発行年月:00・07 価格:1200 頁数:49(対象部分)
読んだ理由:
桂離宮訪問を思い立って
 
読んだ日:0207  
内容:
それまで桂離宮を敬して遠ざかっていた橋本治氏の、初めて訪問しての印象記であり、お庭解説である。
特に拝観を設営してもらったのではなく、一般の拝観者として橋本氏は回った。

しかしさすが橋本氏、というべきか、われらのような門外漢には最適な入門書となった。この企画をたてた編集者の手柄だ。

「建物のくせに、桂離宮は静止していない。見る位置を変えられたら、その瞬間に表情を変える。屋根の形も柱の具合も、室内の様子も、屋根裏も、軒下も、床下も、桂離宮は、ありとあらゆるところに創意が隠されている-それが平気で現われる。」

「桂離宮に<簡素の美>という言葉を与えるのは間違いだろう。こんなに人工的で技巧的で、知恵を使い尽くしたようなものは、どこにもない。」

<簡素の美>ではとりつくしまがないが、人工的で技巧的で知恵を使い尽くしたようなものなら、まさにガーデンデザインのお手本集ではないか。
そんな気がしてきた。

(念願の訪問は台風6号で新幹線が名古屋ストップし、不可能になった。)
 

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