黒潮丸のガーデン読書録

 

書名:華術師の伝説 著者:海野弘 出版社:アーツアンドクラフツ
発行年月:2002/5 価格:2200 頁数:261
読んだ理由:
華道とはまったくご縁がないのだが、ガーデンデザインの講座を運営するのに華道の各流派とか家元制度についての知識を得たかった。
 
読んだ日:2002/9
内容:
本書は「小原流挿花」に連載されたものという。著者は特に華道の縁者ではなくジャーナリストである。

神話の時代、記紀万葉から説き起こして明治20年代までの記述である。もっと近代の華道各派の角逐などを知りたかったのだが、それは対象外であった。
それにしても池坊、古流、遠州流などの起源から説き起こし、家元制度(企業化)のためには不立文字では駄目でテキストが必要だとの指摘はあらためて納得させられた。

華道には多くの立花図が出版され残されているという(そんなことも知らなかったのだが)。現在でも作られているようだ。
それにひきかえわが国の現代のガーデンデザイン界で、そのようなガーデン・コンペの図面が本にまとめられ、流布しているとは聞いたことがない。
ガーデンデザイナーの怠慢である。

ガーデンデザイナーの家元よ、現れよ。そこからガーデンデザインの教育が始まる。


 

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