黒潮丸のガーデン読書録

 

書名:
花僧−池坊専応の生涯
空蝉の花−池坊の異端児・大住院以信
天涯の花−未生庵一甫
著者:澤田ふじ子 出版社:中公文庫
発行年月:1986・10 1990・5 1989・4 価格:933 952 895 頁数:573 515 498
読んだ理由:
ガーデンデザインの講座を開く者として、華道史の流れに関心を持つため
 
読んだ日:03・6−8  
内容:

澤田ふじ子の池坊3部作は、長い池坊の歴史の中で傑出した3人を描いた小説である。 伝記ではなく、あえて小説でしか書けない世界である。あまりに資料が少なく歴史書としてはまとめようがないのである。

池坊中興の祖といわれる専応は室町の人である。
池坊の名代として江戸に上って(下って?)
10年遂に法院継承ならなかった以信は江戸初期の人。
池坊と天下を2分するといわれた未生流の開祖一甫は江戸後期の人。

この間、300年?

資料は殆どない中で、7割8割が澤田ふじ子の創作であろう。大変な筆力だ。
彼女の小説をこの3部作で初めて読んだが他にも膨大な(100冊もの)小説を書いている。どこでそんな力を培ったのだろう。いつ資料を集めるのだろう。すごい人だ。


それにしても<立花図>の存在の大きさを思う。
なぜガーデニングフェアの花壇や、コンテナやハンギングコンテスト入選作の植栽図なきや。

PCCガーデンデザイン・セミナーとしてなんとしても<植栽図の記録>の習慣を普及させたい。
 

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