読書記録

日付:050803

書名:夢窓疎石━日本庭園を極めた禅僧

著者:枡野俊明

出版社:NHKブックス

購入理由:題名

価格:1020

発行日:0504

著者プロフィ:

頁数:263

内容:

「夢窓疎石━日本庭園を極めた禅僧」(枡野俊明 NHKブックス)を読んだ。
著者は玉川大学農学部卒、曹洞宗建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美教授。坊さんが農学部を出たのか、庭園デザイナーが僧職をとったのか、知らない。

禅の精神をしっかりと、そして禅寺の庭園が禅の精神を顕現したものであることを、きっちり書いている。

ここまで書かれると参ってしまう。禅以外に精神文化はないのかと思ってしまう。禅以外の庭はないのかと思ってしまう。そんなこと書いてないと叱られるかもしれないが、そう思ってしまう。

その辺をきっちりがっちり書けるから大学教授なのだろう。単に坊さんや庭園デザイナーならここまで書けない。禅の精神と庭園とをここまで書き込んだ人は他にいないのではないか?それとも私が知らないだけなのか?

夢窓疎石が西芳寺の庭を造ったとは知っていたが、建立時に住職だったとか、最初のグランドデザインをした人だろうと思っていた。著者によればもっとずっと深く関わっていたという。天龍寺もそうだ。
どちらも長い期間にいろいろ手を加えられて、年月の変化を経て、たった1人のデザイナーの作品とは考えられないのだが、著者は夢窓疎石の作庭を強調する。

はじめ天台宗の僧侶が担っていた寺院の庭造りが、やがて臨済宗の僧侶に遷っていったあたりの記述はよく判った。これも庭園デザイナーには書けない内容だ。

それにしても禅寺の庭以外にも庭はいろいろあるではないか。世界にそれぞれの庭があるではないか。どうしてくれるんだ。

ある意味勉強になったが、あまり有難くない嬉しくない本だ。

 

 

 

Home    BookTop