読書記録 |
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日付:070402 |
書名:茶人たちの日本文化史 |
著者:谷 晃 |
出版社:講談社現代新書 |
購入理由:図書館 |
価格:740 |
発行日:07/02 |
著者プロフィ: |
頁数:254 |
内容: 著者は1944生まれ、京大卒、香雪美術館、野村美術館勤務。芸術学博士。
茶道<業界>の外からの茶道論が面白かった。こういう地味な職場で、じっくりと世の中を見ている人がいる。 飲茶、喫茶そのものから説き起こす。
古田織部、小堀遠州、
上田秋成 煎茶 「清風瑣言」 <茶の湯で「茶書」という場合、煎茶の書物は含めないのが一般的である。しかしながら煎茶はシノアズリーと茶の湯批判のうえに成り立ったといってもよく、その意味で、茶の湯の立場からは煎茶書で展開される茶の湯批判に耳を傾けることも必要であろう。・・・当時の日本で盛んに行われていた茶の湯(抹茶)は、「道」化し、家元制度が成立していて、とても彼らの自由で主体的な精神を受入れるだけの寛容さはなかった。>p194 <すなわち世俗に背を向ける「脱俗」と、わが身に不幸をもたらしかねない事柄への「執着」こそが、古来より脈々として受け継がれてきた数奇の伝統であり、その発露が時に歌数奇、時に侘数奇、そして時に煎茶であったともいえるのではなかろうか。>p198
◎松平不昧、 松江藩財政改革 日本文化史上の巨人 「古今名物類聚」 10年の歳月をかけ、全18巻。1789年。色刷り。 <茶道具のほとんどすべてが網羅され、かつ総数で千にものぼる名物茶道具を収録し、名称・所蔵者・法量・図・付属品とその図を記している。 実際に見たものは○を付し、みていないものでも「諸家の蔵書・図記を求めて校合し、その正しきを撰び」、図を勘案して、疑問があれば空白にしておくなど、その記述方法は当時としてはまれなものであり、不昧によって茶の湯に客観的、科学的な目で見ようとする姿勢が持ち込まれた。>p202
◎高橋箒庵 50歳で実業界から身を引き、以後は趣味の世界、特に茶の湯に生きた。 「東都茶会記」「大正茶道記」「「昭和茶道記」などの茶会記や、構成に大きな影響を与えた「大正名器鑑」を編纂した。 高谷宗範との論争。修行性と遊興性の対立。
◎柳宗悦の民芸 実用性→非鑑賞性 民衆性→非貴族性 無名性→非天才性 伝統性→非個性性 単純性→非技巧性 健康性→非特異性 堅牢性→非繊細性 手仕事性→非機械生産性 自然材料性→非人工材料性
雑誌「工芸」発刊 浜田庄司、河井寛次郎、バーナード・リーチ、芹沢_介、棟方志功
茶の湯批判 <茶の湯の現状を嘆き、あるべき姿に戻るべきを説くのではなく、あくまで物の美しさを正しく見るべき・・>p227
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