花壇草花の連作障害

連作障害とは    
連作障害対策      熱水消毒

 

連作障害のある花のリスト

             皆さんは花にも連作障害があるとご存知でしたか?

 

  春の花 夏の花 秋冬の花
連作可能 シバザクラ、パンジー
ビオラ、ユリオプスデージー
 

アメリカフヨウ、サルビアレウカンサ、ノコギリソウ、マリーゴールド

 

アキランサス
1年休作 キンセンカ、ガザニア
ナスタチューム、ムルチコーレ、ノースポール、シレネ、ナデシコ類、リビングストンデージー、ロベリア、ムスカリ
 

アゲラタム、アサガオ、オシロイバナ、ガザニア、クレオメ、ヒマワリ、ペチュニア

 

黄花コスモス、シロタエギク
1〜2年休作  

ポピー、アネモネ、キンギョソウ、スイトピー、ストック、デージー、マーガレット、ミムラス、ヤグルマソウ、ラークスパー、リナリア、ワスレナグサ

 

インパチエンス、コスモス、コリウス、ポーチュラカ、ホウセンカ、マツバボタン、ルドベキア ハボタン
2年休作  

ゴデチャ、バーベナ、ルピナス、ハナタバコ、チューリップ、ラナンキュラス

 

ケイトウ、ストケシア、センニチコウ、トレニア、ベゴニア クッションマム
3年休作 アリウム  

アスター、サルビアスプレンデイス、サルビアファレナセア、ニチニチソウ

 


浜松フラワーセンターの実践例です


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連作障害とは

 

同じ作物を連続して栽培することを「連作」と言います。

ある種の作物は連作をするとだんだん生育が悪くなる現象が知られています。これを「連作障害」とか「嫌地現象」と言います。「連作障害」を起こす要因は次の3つと云われています。

 

1.土壌病害虫 特定の細菌やウイルス、害虫が連作により土壌中に増殖し、作物が侵されます。
根こぶ病や萎黄病、センチュウなどが代表例です。
 
2.肥料分のアンバランス 植物は自分の必要とする要素を吸収して成長します。その要素の補給が不足すれば欠乏障害が生じます。

自分が必要としない要素は残留し蓄積して過剰障害を起こします。
肥料分は無機塩の形態で供給されるため過剰分は塩類として作物の生育を阻害します。
 
3.嫌地物質 植物によっては根から特殊な物質を放出して他の植物の成育を阻害することが知られています。
嫌地物質(いやちぶっしつ)あるいは嫌地現象と呼ばれますが、まだ詳しくは解明されていません。
 

 

 

連作障害対策


連作障害への対策は作物や培地の条件、施工者の経験や立場によって様々ですが。およそ次のような方法が考えられてきました。

1.土壌消毒 薬品
燻蒸
太陽熱
寒ざらし
蒸気・熱水
2.有機物の投入  
3.湛水 稲は水田では連作障害を起こさないが、陸に植えると連作障害を起こすことが確認されています
4.輪作  
5.接ぎ木苗の使用  
6.客土・天地返し  
7.コンパニオンプランツの使用  

これらの対策を一覧して、連作障害対策とは<土壌を消毒し>、<過剰分を洗い流し>、<不足分を加える>ことのようです。

消毒だけ、洗うだけ、加えるだけ、では不十分なようです。

さもなくば輪作、接ぎ木苗など土壌ではなく苗側の対策です。

そこでクローズアップされるのが蒸気または熱水による消毒です。これだと消毒と洗浄の両方が行われます。問題は実際の圃場では面積が広くて実行が難しいことでしょう。

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〜〜〜〜〜参考記事〜〜〜〜〜〜〜

 

連作障害対策  「家庭菜園ブログ」http://kateisaienn.blog95.fc2.com/blog-category-48.html  )の記事

家庭菜園での連作障害を考えると エンドウ、スイカ、ナスのように 6〜7年も間隔をあけて栽培しなければならないものもあり、
小面積の家庭菜園ではたちまち野菜が作れなくなってしまいます。
家庭菜園のせまい畑ではとても無理!! ひろい土地がなければ・・・とめげてしまいがちです。
しかし、せまい畑はせまい畑なりに工夫をすれば 連作障害を防ぎつつ、家庭菜園で野菜を作る楽しさを味わうこともできます。
ここでは家庭菜園での連作障害を防ぐのに 効果的な方法をご紹介します。


○接木苗(つぎきなえ)を使う
接木苗とは、病害に強い種類を台木として、 それに普通に栽培される苗を接いだものです。
少しでも連作障害が出ないようにするためには、 接ぎ木苗を使うのが一番です。
一度接木苗を試してみてはどうでしょうか?

○耐病性の品種を利用する
タキイ種苗やサカタのタネなど各種苗メーカーからは どんどん新しい品種が発売されています。

○コンパニオンプランツを植える
コンパニオンプランツを一緒に植えることで 連作障害による被害が少なくなることが実証されてきています。
例えばナスとチャイブを一緒に植えると 青枯病を軽減したりすることができます。

○土壌消毒
連作障害の原因が土壌伝染する病気の場合、 土壌を消毒すれば障害を避けることができます。
農家の方は薬剤を使用して土壌消毒されるようですが、 せっかくの家庭菜園ですから、 転地返しをおこなうなど
太陽熱を利用した土壌消毒をおこないましょう。

○家庭菜園を4つの区画にわけ輪作をおこなう
区画わけできるほどの広さのある家庭菜園を お持ちの方は畑を4分割して、 順番に作物を入れ替えていくように輪作をするといいでしょう。

○堆肥・腐葉土などの有機物を入れる
土が本来もつ分解能力を高め、 土に力をつけることは家庭菜園での野菜作りや ガーデニングにおいての基本となりますが、
連作障害についても堆肥・腐葉土を入れることは とても効果を発揮します。
土壌中に微生物のえさとして適度の有機物を入れ、 多様な生物が生育・生息しするような生態系を作り、 単一の病害虫が大発生する状態を防ぐといいでしょう。
牛糞などの動物性の堆肥よりも、 バーク堆肥などの植物性の堆肥を 入れることをおすすめします。

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連作障害の回避方法  Wikipedeia

適切な施肥管理
土壌診断等を行い、作物の生育に応じて必要な施肥を行う事で、生理病の発生を抑制することが出来る。
有機物の投入
土壌病害や害虫は、生体の植物を侵すものがほとんどである。また、土壌中で一定以上の密度にならないと実害が発生しない。
このため、堆肥を投入したり、イネ科作物やマメ科作物を土中に鋤き込むなど、栽培作物以外の有機物を土壌に投入することで、土壌内の微生物相が多様化し、病虫害の発生を抑制することが可能となる。
土壌内の微生物相を多様化させることを目的とする微生物資材が数多く流通しているが、外来的に微生物を投入しても、投入した微生物が土壌内で優先しなかったという報告もあるので、微生物を直接投入するという宣伝の資材については、その効果を慎重に見極める必要がある。また、糖蜜などの微生物を増殖させる成分を含む資材については、一時的な増殖効果は期待できるかもしれないが、安定的に多様な微生物相を維持するためには、他の有機物を含めた継続投入を前提とするものが多い。
湛水
多くの病原体や害虫は水中で長時間生存できないので、圃場に一定期間水を溜めることにより、病原体や害虫の密度を低下させることが出来る。また、水溶性の塩類や肥料成分も湛水中に溶出するので、塩害の軽減にも効果がある。
イネは連作障害を受けないという印象があるが、これは 水田が生育期間中は常時湛水状態にあるためであり、 陸稲は連作障害を受けやすい。
客土・深耕
客土は耕作層の土壌を取り除き、他から新しい土壌を入れること。深耕は耕作層の下層の土壌を耕作層と反転(天地返し)すること、又は耕作層と下層を混和すること。
一時的な連作障害の回避には有効であるが、その後の管理によっては再び連作障害を引き起こすことがある。
輪作
いくつかの異なる作物を同一圃場で作り回すこと。ヨーロッパの三圃式農業、日本の田畑輪換等がこれに相当する。
全ての原因に対して有効であるが、単一の作物を栽培するのに比べて多くの圃場面積を必要とするほか、作物毎に異なる技術を習得する必要がある。このため、圃場の団地化や、生産組合等による集団栽培などにより、経営効率を高める工夫が求められる。
また、栽培する物を選ぶときには、近縁の作物を避けるなど注意が必要。例えばトマトの後にピーマンナス(いずれもナス科)を栽培した場合、共通の土壌病害に侵される可能性が高い。
接ぎ木
土壌病害はこの方法で随分回避できる。ただし、接ぎ木面から上部は元の植物体なので、雨などで土壌が跳ね上がるとそこから病気に感染する恐れがある。また、土壌病害以外の原因に対しては効果は低い。
養液栽培
連作障害の原因物質が蓄積することがない、あるいは蓄積しても培地の交換が容易なので、連作障害を回避しやすい。設備をそろえるのにある程度の投資が必要。
土壌消毒
土壌に燻蒸剤を処理することにより、病原体や害虫を駆除する方法。処理直後は土壌微生物がほぼ全滅しているので、作物の栽培によって病原体や害虫が優先的に増殖し、却って被害が拡大することもある(リサージェンス)ので、前述した有機物の投入などにより、微生物相を回復してから栽培を行うのが望ましい。
近年、燻蒸剤処理の代替方法として、プラスチックフィルムを土壌表面に張り、太陽熱により土壌温度を上昇させて物理的に病原体や害虫を駆除する太陽熱消毒法の普及が進んでいる。


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熱水消毒

 

連作障害対策としての熱水消毒

 

参考記事:「土壌熱水研」 「野菜茶業研究所」 「丸文製作所」

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土壌熱水研 (http://www.geocities.jp/nessuiken/newpage2.htm )の記事

 

連作障害には熱水土壌消毒で

 ハウス栽培に於いては、連作障害が栽培上の大きな問題となっており、安定した生産を行える圃場管理が要求されている。その連作障害は、病害虫と、土壌の科学・物理的変化が大きな要因として考えられている。

 連作障害に対し、土壌消毒剤は病害虫の駆除のみを目的としており、病害虫が発生している土壌の質的改善には効果が期待できない。土壌の質的改善をしないことには一時的に病害虫を抑制できても再発の可能性は残したままになってしまう。特に施設栽培においては、閉鎖された環境での栽培となるため、土壌の還元にはより一層の注意が払わなければならない。
 

熱水消毒による土壌の改善

 還元性の少ない施設園芸の土壌では残留肥料が多い傾向にあり、それがまた微生物の繁殖を妨げ、土壌の還元性をさらに低くしています。そのような土壌に熱水を注入すると土壌の質的改善が期待できます。
 
 土壌の質的改善とは、熱水の持つ界面活性効果により、残留肥料等の結晶成分を剥離溶脱し土壌の汚れを洗い流すことにより行われる。それにより、結晶等による根焼けを防ぎ病害虫の根からの侵入を妨ぐ効果も期待できます。また土壌が浄化さると、微生物が活動しやすい環境がつくられ、微生物の活性は、土壌環境の改善を促進していきます。 


熱水消毒は事前事後の処置が重要です。

 しかし熱水消毒は、どの方法で行っても同じ結果が望めるものではありません。結果は、事前事後の処置でまったく変わったものになる場合もあるからです。
 それは熱水消毒後の土壌はほとんど無菌状態になり、良くも悪くもなる可能性があるということです。

 事前の処置としては、バチルス菌が潜在する有機資材を入れます。熱水によって加熱された有機資材は、消毒後に微生物の格好のえさになります。そして事後の処置としては消毒後に地温がある程度下がった時点で、速やかに有効菌を投入し、土壌の活性を計るようにします。
 

熱水消毒は土壌条件にあった方法で

 これら熱水消毒の効果は、熱水を土壌中に浸透させた時に発揮します。逆を言えば、熱水が土壌中に浸透せず、表面を流れてしまうようではその効果は発揮されません。土質、土壌条件、圃場条件にあった方法の選択が大変重要です。

 熱水の浸透性の良し悪しが大きく効果・効率を左右することから、消毒方法の選択には充分な考察が必要になってきます。


熱水消毒後の土壌は菌の繁殖適正土壌に

 しっかり熱水消毒された土壌は、pH、ECの改善、団粒化、が進むと同時に、事前に投入されている粗大有機により有効菌の旺盛な繁殖を促進します。こうして熱水消毒により還元、蘇生された土壌は波動効果を持ち、栽培に適した土壌に変わっていきます。


有効菌の旺盛な活動は病害菌の抑制効果が?

 どのような方法で消毒をしても、実際に圃場内すべての病害菌を殺菌することは無理に近いことと思われます。外部からの菌の侵入も考えられます。しかし、「セルロースを添加し土壌微生物が活性化した土壌においてはウイルスの働きは減退する。」ということが分かっています。この実験は、微生物の繁殖した土壌に、ウイルス感染した根を混ぜ8週間培養し、ウイルスの働きが10%〜20%に抑えられた、というものです。
(実験 農業生物研究機構・中央農業総合研究センター)

 似た様な状況で、当社も以前、畝立てした後の圃場で畝のみの熱水消毒を試みたことがあります。畝はほぼ完全に消毒されたと思われますが、通路部分は表面5〜10p程度しか熱水の浸透がみられませんでした。もちろんこの時も事前事後の処置はしっかりしました。その結果は以下の通りです。

  場所 高知県土佐市    病名 ピーマン青枯れ

  圃場面積  1.8ha  2500本定植

  2003年熱水消毒前  発病 800本  32%

  2004年熱水消毒後  発病 20本  1%未満
 
この例の場合、圃場通路の部分の消毒は十分ではなかったにもかかわらず、以前と比べると明らかな違いが確認できました。畝部分の約65%以外の場所には病害菌は残っていたことは容易に想像がつきます。しかし熱水消毒で還元され、有機資材を充分に持ち微生物が旺盛に繁殖した畝により病害菌は抑えられたと考えることができます。

また、同圃場内ではバイラスによる被害もあったが、熱水消毒後の農業改良普及センターの調査では、その存在が確認されなかった。要因としては、一説によると還元された土壌により施設内環境は−イオン化が進み、−イオンが害虫の繁殖を抑えるようである。


体感できる土壌の改善

 当社の熱水消毒をした圃場の生産者は、一様にして土が変わったといっています。

 JAおおいがわ、JAハイナン管内のトルコギキョウの栽培農家も、熱水消毒を始め3〜6年になり、土壌が改善されている様子が良くわかる、といっています。

 ・潅水しても透水性が非常に良く、以前のように通路まで流れることが無い。

 ・以前は潅水時に、しおれないように水のやりすぎにすごく注意を払ったが、今は土がそれをカバーしてくれているようで楽になった。

 ・支柱立ても楽に入っていく。

 ・栽培上、水を切っても40日程度はしおれない。

との声を良く耳にします。これらの現象は、団粒構造化した土壌により、保水性・排水性が向上したことが大きな理由として考えられます。また土壌の浄化・改善によって作物自体が本来持つ能力を発揮できるようになり、栽培上の水切りにも耐えられる強い根が張るようになったとも考えらます。

 他にも「生育にムラが無く、栽培管理が楽になった。」との声が多くあります。しっかりムラなく熱水消毒さた土壌は、圃場全面が一様に浄化された状態になります。これに加え、前後の処置で、微生物の繁殖による土壌の活性を図っておけば、圃場一面が一様な栽培適正土壌になると期待されます。


以上のように熱水土壌消毒は、「消毒」という一場面でとらえるのではなく、その前後の処置を適切に行うことで、付加価値の高い効果を期待できます。
 熱水土壌消毒は栽培の一場面であり、これに加え熱水消毒前後の処置、生産者の適切な栽培管理、がそろってその効果が発揮されると当社は考えています。

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By PCC

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